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『異能の映像作家・中村雅信の世界』vol.2配信開始!
STRANGRE WORLD OF NAKAMURA MASANOBU vo.2 is streaming now!

 『中村雅信の世界』第2弾は、90年代のビデオによる風景論というべき作品と8mmフィルムによる作品を特集。アナログビデオや8mmフィルムの独特の質感を活かした映像は、よりパーソナルな作者の心情やフェティッシュな欲望を反映し、16mmで撮影された実験映画とは別の魅力を放っている。

 初期8mmフィルム作品は、再撮影と反復が生み出す夢幻的な世界『ANOTHER LIFE』や、若いカップルによる少女誘拐監禁という劇映画的シチュエーションを描く『ROOM』など、70年代的な仄暗さと時代感覚を持った自由で多彩なアプローチが鮮烈。80年代に制作された『自動ピアノ』は8mm映像と自作のコンピューターミュージックの融合が、ニューウェーヴ的アヴァンギャルド感覚とも言うべき面白さ。メディアとしての8mmフィルムの特性を生かした映像表現によって、中村雅信のフェティシュな世界観は一層際立っている。

 90年代のビデオ作品で、中村はフィルムとは別の語り口で自己と世界を見つめ、映像作家として新しい境地へと踏み出した。自己について語る言葉はなく、自らの視線とその場の音をひたすら記録し続けるビデオ映像。そして、それらを荒々しく刻み、構成してゆく編集によって生み出された作品は、アナログビデオ独特の色彩による美しい風景と荒々しい時間の交錯の中から、底知れぬ空虚と静かな狂気の気配を醸し出してゆく…。90年代という時代の空気を映し出す風景論としても貴重であり、新たな発見と再評価が待たれる成熟期の作品たち。

孤高の個人映画作家の初期衝動と成熟を一望できる必見の2プログラム、配信中!

『異能の映像作家・中村雅信の世界』Vol.2
https://art-saloon.site/2021/01/28/nakamura-masanobu-vol-2/
『異能の映像作家・中村雅信の世界』Vol.1
https://art-saloon.site/2020/10/09/nakamura-masanobu-part1/